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★今改めて、憲法と教育について考えあい、
各地でとりくみを
安倍政権が憲法「改正」を声高に叫び、それにあわせて教育「再生」政策を次々に打ち出しています。
安倍首相は、「9条改正」を最大の目標にしつつ、「96条改正」の意図を「国民の皆さんが憲法を変えやすいようにする」などとごまかしていますが、そのねらいは時の政府が簡単に改憲を発動できるようにすることにあり、世界からも懸念が表明されているばかりか、改憲派の人からも異議が出されています。
自民党の「改憲」案は、憲法を「権力を規制するもの」から「国民に対し国家に従う義務を課す」ものへと、その本質を180度変えてしまうものであり、「改正」ではなく、現憲法「破棄」・新憲法「制定」といえるものです。
日本は、国家が教育を統制し国民を戦争へ動員した侵略戦争への反省から、教育に対する政治の介入を戒め、「国民の権利としての教育」の理念を確立し、「教育の自由」を保障するとりくみをすすめてきました。
しかし、安倍内閣が今年1月に発足させた「教育再生実行会議」は、自民党「教育再生実行本部」の方針を具体化するために、「いじめ対策として道徳の教科化」「教育委員会を、首長が任命する教育長の諮問機関化」することなどを打ち出しています。
かつてなく憲法と教育の危機が高まっている今、教育子育て九条の会として、「今、改めて憲法と教育について考える」企画を秋に行ない、みなさんと論議を深め、とりくみをすすめたいと考えます。
教育子育て九条の会 第6回全国交流集会
12月1日(日)、 長野市生涯学習センター
5月16 日(木)、長野市で実行委員会が発足し、具体的な準備が始まりました。
憲法と教育、子どもの未来をめぐるきびしい状況のもと、今年の集会は、大変重要な意義を持っています。プログラムが決まり次第、ご案内いた
します。今からぜひ、参加をご予定ください。
「いじめ」問題の解決にむけて リーフレットのご活用を
教育子育て九条の会は、「『いじめ』問題の解決の方向を一緒に考えましょう」とのアピールを出し、A5判4ページのリーフレットにまとめました。同封しますのでご活用ください。また、ご意見をお寄せください。
新緑鮮やかな青梅で
「いじめ、学力、子どもの成長」を考える集い
5月12日、三上満さん(教育家、教育子育て九条の会呼びかけ人)を囲んで、第7回連続学習会が東京・青梅市民会館で開かれ、80名が参加しました。主催は、教育子育て九条の会と青梅九条の会です。
青梅市は、市議会の保守系議員が活発に動き「いじめ」「学力」の決議を上げた町です。
また、私たちの5・12三上講演会のポスターを、市民会館や市民センターに貼ることに(市当局が)待ったをかけるなど、社会の変動を反映した動きも出ていました。
そういう動きの中で、心ある人々が協力して取り組み、当日は「子どもを慈しみ、子どもを信頼しよう」「子ども(その教育)って、本当はこうだよ」という三上満さんのお話が、参加者一人ひとりの心に染み透る学習会になりました。その概要を報告します。
集いは、3人の参加者の発言から始まりました。
<1>子どもを大切にしたい。でも ・・・
二年目の男性保育士は、「子どもたちには、人間の基礎を育てたい」という、夢と現状を語ってくれました。小学2年生の保護者は、「早い学習展開に“頭のアンテナ”が折れちゃったと泣かれた時“心のアンテナ”が折れなくてよかったねとフォローした」経験を語ってくれました。
経験豊かな女教師は、「小学2年生の時計の学習」が新指導要領で困難になり、皆で考えて「これは無理。後で時間をかけてやろう」と話して危機を打開した話をされました。いじめのアンケートでは『報告業務』ばかりが増え、道徳教育では、子どもの実態から乖離する『道徳教育の教材(都作成)』の激変が起こっていることなど、市民としても、もっと関心を持たなければならないという意見が出されました。
<2>私たち大人が、子どもに贈れる3つのプレゼント
三上満さんは、こうした子どもの教育を困難にしている背景として「おちこぼれはどんどん出していいのだ」(石原慎太郎発言)」とか、「美しい国へ(安倍晋三著書)」などと言って、子どもや教師の世界に、上から『競争』や『強制』を押しつける、今の政策の問題点を紹介されました。そして、子どもの世界は『風の又三郎(宮沢賢治)』を見ても、自分の教師の現場体験からみても、そんなものではないし、大津の「いじめ」問題の第三者委員会報告や、国連の子どもの権利条約など、誠実な方向も沢山出ていることを紹介されました。
いま必要なことは「子どもを一人の人間として尊ぶ」ことであって、*ジグザグ凸凹の道を歩む子でも、*あわてんぼ、のろのろさんでも、子どもは発展途上人ですから、これに手を差し伸べて、いろんな教師が思う存分に力を出し合えるようにすること。このことこそいま教育に求められている、と話されました。
そして最後に『大人が子どもに贈れる3つのプレゼント』として、
@いつくしむ心を伝えてあげること(子どもに向き合うこと)
A大人のモラルを教えてあげること(例・南アフリカの人種差別撤廃の歴史)
B魅力的な大人になること(親自身が幸せになること)
と話され、時には笑いも交えながら、貴重なメッセージを青梅に残して下さいました。 (事務局・山田功)
九条の会からの訴え「九条の会のみなさんへ」
2004年6月、私たちは「九条の会」を発足させ、「日本と世界の平和な未来のために、日本国憲法を守るという一点で手をつなぎ、『改憲』のくわだてを阻むため、一人ひとりができる、あらゆる努力をいますぐはじめること」をよびかけました。これに応え、全国各地、各分野に7000を超える「九条の会」が結成され、それぞれが創意あふれる運動を展開してきました。私たちはみなさんのこの間のご努力に心から感謝し、敬意を表します。しかし私たちは今、その努力を飛躍的に強めることが求められる重大な局面を迎えています。
安倍内閣・自民党は小選挙区制という極端に民意をゆがめる選挙制度の力で得た虚構の多数を背景に、改憲に向けて暴走しはじめました。安倍首相はその入り口として憲法96条をとりあげ、現在衆参それぞれの3分の2の賛成とされている憲法改正の発議要件を過半数に緩和するとしています。これが、時々の多数派のつごうで憲法を変えられる状況をつくりだし、立憲主義を破壊するものとなることは明らかです。
しかも安倍首相の真のねらいは、96条改憲を突破口に、9条改憲につきすすむことにあります。
すでに自民党は「日本国憲法改正草案」を作成し、第9条については、自衛隊を国防軍として個別的・集団的自衛権の行使やアメリカの組織する多国籍軍への参加を可能にするよう改変しています。また、軍法会議の設置や軍事秘密保護法の制定、首相による非常事態宣言の発令など、「戦争をする国」をめざした体制づくりを全面的にすすめようとしています。
同時に安倍首相は、憲法の明文改憲が実現する以前にも、憲法の解釈変更によって「憲法9条の もとでは許されない」とされてきた集団的自衛権の行使を可能とし、海外でアメリカと一体となった武力行使をおこなおうとしています。
私たちは憲法9条の精神を根本から否定する明文・解釈両面からのこうした企てを絶対に許すことはできません。そのため、全国の「九条の会」のみなさんに、あらためてつぎのことをよびかけます。
◎全国の「九条の会」は明文・解釈両面からの改憲攻撃について学習と話し合いをおこない、その成果をふまえ職場・地域の草の根から改憲反対の世論をつくり、安倍内閣や改憲勢力を包囲しましょう。 ◎「九条の会」の輪をもっともっと大きくし、ゆるぎない改憲反対の多数派を形成しましょう。 ◎ブロックごと、都道府県ごとの交流集会を開き、お互いの経験に学びあい励ましあいましょう。その成果をもって「全国交流・討論集会」(11月16日、於・東京)に参加しましょう。
2013年5月17日 「九条の会」よびかけ人一同
9条は変えない方がよい 63%
高校生1万人憲法意識調査
2012年11月、日本高等学校教職員組合(日高教、全日本教職員組合加盟)が全国の高校生に対して実施した調査で、こんな結果が出ました。
日高教は1977年以来、4〜5年ごとに同様の調査を実施し、今回が9回目になります。
今回は公立高校・障害児学校高等部の生徒12,480人(28道府県4政令市144校、全日制・定時制・通信制、1〜4年生の男女)から回答を得たものです。「9条を変えない方がよい」は、2004年の43.9%から前回60.9%に大きく増えましたが、今回も約2ポイント増加しています。
「9条は日本の平和のために役立ってきた」が68.2%で、日本国憲法の支えがあったことを実感しています。
一方では、「9条を変える方がよい」と考える理由には、「自衛隊の存在を明文化するため」や、「中国・北朝鮮の脅威」「新たな国際的問題」を懸念する、高校生の思いが反映しています。
詳細は日高教のホームページをご覧ください。お問いあわせは日高教(電話:03‐3230‐0284)まで。